コメント等でいただいた質問に関する回答をまとめています。
(随時更新していきます)
質問と回答-1
質問
8月から本格的に国家試験勉強を始めようと思っているのですが間に合いますでしょうか?また、問題集で黒本を使っているにですがこれ一つで足りるのかなと不安になっています。就活と平行して行わなければいけないので不安です。どのようにしていくべきでしょうか。
回答
(1)8月からで間に合うかどうか
勉強法を間違えなければ十分間に合います。ただ闇雲に行うと時間だけが過ぎてしまうので,効率よく勉強していく必要があります。
(2)黒本だけで足りるか
十分です。むしろ他の参考書に手を出すとすべて中途半端になってしまいがちです。黒本があるならそれだけを極める勢いで使い倒してください。
なお,中にはそういった参考書を一切持っていない方もいらっしゃると思いますが,厚労省HPで過去問を入手可能ですのでそちらを使いましょう。(過去問さえ手に入れば参考書がなくても十分合格可能です)
(3)具体的な勉強法
はじめに(絶対に必要なこと)
最初に約束してほしいのですが,国家試験を受けると決めたなら,その日のうちから勉強の習慣をつけてください。
ただし,最初から数時間勉強しようとしても絶対に続かないので,まずは5分でもいいので短時間から始めましょう。習慣付けることが一番大事です。
慣れてきたら10分→30分→1時間と増やしていけばいいのです。10月頃には1~3時間,12月頃には2~4時間を目安にしましょう。
①自分の実力を知る
まずは自分の実力を知る必要があります。もし国家試験をまだ1度も解いたことがなければ(最新年でいいので)解いてみてください。そこでどの分野が苦手なのか,分野の中でもどのあたりが特に弱点なのかが見えてきます。
ここでは点数自体はそこまで重要ではないので,40点や60点でも気にしなくてOKです(むしろ自分が解けない問題がわかったという大きな収穫がある)。
②国家試験の出題の傾向を知る
次に,国家試験で出題される問題の傾向を確認し,自分に足りていないところを補強していきます。
以前から申しておりますが,国家試験に受かるためには国家試験を知る必要があります。それが厚労省HPに載ってある過去問だったり,黒本の内容だったりします。
これができないとかなりの時間が必要となるので,効率よく勉強するためにもぜひ類似問題がどれくらい,どの範囲で出題されているかを確認してください。
黒本があるなら黒本を使いつつ傾向を把握していきます。黒本がなくても過去の国家試験問題を5年分ほど見てみると傾向が見えてきます。このときは実際に問題を解かなくても大丈夫です。
黒本を使う場合は取り敢えず1周してみましょう。
③問題に優先順位をつけつつ,必要な部分のみ自分なりにまとめる
ここが一番難しいところなのですが,過去問を見ていくと,「この問題は毎年出てるけど,この問題に関連した問題はほとんど出ていない」などといった傾向が大体わかってきます。(なんとなくでも大丈夫です。当ブログを参考にされても構いません。)
そこまで来たら,よく出てくる問題のみ,それらの問題を全て解けるような解説を自分なりに作ります。逆に出題頻度が低い問題や,どうしても自分には向いていない問題もあると思いますので,そういった問題は一度切り捨ててしまいましょう!
また,分野ごとに得意不得意があると思いますので,まずは苦手意識の少なく,かつ点数が伸び悩んでいる分野から手を付けるといいでしょう。(いきなり臨床化学などの難しい分野に手を付けることはお勧めしません)
例えば,70am59でDICに関連する問題が出題されています。
ここでやってしまいがちな効率のよくない勉強法は,この問題だけを解けるようにしてまおうという方法です。言い換えると,「DICではD-ダイマーが増加する」で終わってしまうことです。これでは,DICに関する他の問いが出題されたときに正解に辿り着きにくくなります。
これは黒本でも同様で,「答えを丸暗記してしまって,本当に実力がついているか不安」ということに陥る可能性もあります。
そこでおススメしたいのが,当ブログでも挙げているような解説の作成です。
DICだと以下のようにまとめれば十分でしょう。
(余裕があるなら,敗血症では線溶抑制型,APLでは線溶亢進型なども覚えておきたいです)
このようにまとめることで,類似問題も難なく解けるようになります。
勿論,自身が覚えていることはまとめなくてもOKです。
④ひたすら反復
ある程度まとめたらひたすら反復です。ただし,重要なのは覚えるだけ(=インプット)で終わらせず,同時に問題を解くこと(=アウトプット)もします。
つまり,「過去問を解く→間違えたら自身のまとめを見る→知識を入れる」を繰り返すということです。勿論,自分が納得して切り捨てている問題に関しては例外とします。
ここは本当に重要で,インプットだけでは覚えた気になりがちなので必ず問題を解く習慣をつけましょう。
(4)就活との両立
就活にはかなりのエネルギーが必要となるため,就活のために時間を使うと決めた日は勉強時間自体は少なめでも大丈夫です。ただ,勉強する習慣自体は続けてください。(例えば,通常1時間なら就活日は10分など)
質問と回答-2
質問
模試を受けたのですが前回から下がってしまい80点から67点になってしまいました。
とても落ち込んでいます。
私の勉強法がインプットばっかりだったので
アウトプットが足りていなかったと反省しています。
模試が悪くて非常に悲しい気持ちです。
模試の点数はあまり気にしない方がいいのでしょうか?
それとも理解できるところはしっかりと解き直しをした方がいいですか?


回答
(1)模試の点数について
多少は気にする必要がありますが,大事なことは点数で一喜一憂しないこと。
むしろ模試を受けたことによって点数以外に何を得られるかを考えることが重要です。具体的には,点数を構成している要素を把握することです。


(2)模試を受ける本当の意味
模試は自身の現在地(=現状の知識)を知るための診断テストです。なので,「点数が低かったこと」「できなかったこと」も有用な情報です。
国家試験本番までにその部分を埋めていけば問題ありません。
(3)具体的にどうすべきか
まずは問題を分けてみる
まずは模試200問を以下の6つに分類してみましょう。ここで,以下に出てくる自信度は3段階となります。
A:自信を持って答えられた
(「答えの選択肢がわからなくとも,他の選択肢を確実に消去できる」「答えとなる理由まで説明できる」)
B:迷いながら答えた
( 「答えは選べたが,理由に自信がない」「2択以上で迷った」)
C:ほとんど分からなかった
( 「ほぼ分からない,または完全に勘で選んだ」)
- 自信度A・正解
- 自信を持って正解できた問題。
- 知識や理解がしっかり定着しており,目指すべき状態。
- 基本的に復習の優先度は低い。
- 自信度A・不正解
- 自信を持って答えたのに間違えた問題。
- 知識の間違った覚え方,思い込み,問題文の読み違い,ケアレスミスなど。
- 最優先で復習対象!
- 自信度B・正解
- 迷いながらも正解できた問題。
- まだ知識や理解が不安定。
- 答えとなる根拠(あるいは他の選択肢が答えとならない根拠)が説明できるかが重要。
- 正解ゆえにスルーされやすいが,実際には本番で正解できる保証がない。復習を怠らないようにしたい問題。
- 自信度B・不正解
- 状態としては自信度B・正解と同じく知識の定着不足,不安定な状態。
不正解なので復習対象として認識しやすいが,単に答えを覚えるだけではなく,なぜ迷ったのか,どの知識が不足していたのかまで確認することが重要。
- 自信度C・正解
- 勘で正解した問題。
- 自信度Bと同様,正解ゆえにスルーされやすいうえ,点数には入り込んでくるので本番でなければ厄介な存在(本番だとラッキー)。
- まずは必要な知識を身につけることから始める。
- ただし,出題頻度が低い場合は捨てるという判断も必要。
- 自信度C・不正解
- 知識不足が最大の原因。
- 自信度C・正解と同様,まずは必要な知識を身につけることから始める。
- ただし,出題頻度が低い場合は捨てるという判断も必要。
それぞれの分類ごとの問題数を確認する
例えば,70点取れたとして,
- 自信度A・正解
30問 - 自信度A・不正解
10問 - 自信度B・正解
30問 - 自信度B・不正解
40問 - 自信度C・正解
10問 - 自信度C・不正解
80問
だったとします。(もしさらに余裕があれば分野ごと(例えば生理検査・臨床化学・血液etc…)にそれぞれ上のように分けると完璧です)
この分類をすると,
- 「確実に取れている問題がどれくらいあるか」
- A正解=30問
- 「あと少しで取れそうな問題がどれくらいあるか」
- A不正解+B不正解=70問
- 「そもそも知識がない問題がどれくらいあるか」
- C正解+C不正解=90問
という風に,客観的に数値で見えてきます。


優先順位をつけて復習する
1:A・不正解
知識の覚え間違いや単純なケアレスミスで点数を落とすのは非常にもったいないです。まずはこの問題を復習しましょう。
2:B・不正解
迷えている分だけCよりマシな問題です。ここを最低でもB・正解,できればA・正解までもっていきます。最終的にはA・正解を目指します。
3:B・正解
正解できているがまだ確実には正解できない状態なので,次はこちらを復習します。
ここまではあまり時間をかけすぎず,間違った理由や足りなかった部分を見直し,覚えなおします。必要に応じて図や表も使いましょう。図や表は生成AIを使えば割とすんなり作れます。
4:C・不正解 および C・正解
ここは知識不足が明確なので,必要な知識をインプット。ただし,全部を同じように勉強する必要はありません。頻出度・重要度などを考えて優先順位をつけます。優先順位が低い問題は今は復習しなくて大丈夫です。
私のブログの問題にも,必要であれば「必ず覚えましょう!」と書いて,表や説明を載せるようにしています。逆に出なさそうな問題は「余裕がなければスルーで」などと記載しているので,それも参考になると思います。
難しければコメントやメールで問い合わせていただければ(答えられる範囲で)お答えします。ただし,出ないとは言い切れないので,そこは自己責任でお願いします。


なお,ここでは復習に関する勉強法には触れません。その部分は個人差が非常に大きいからです。(ノートを作る人,何度も声に出す人,同じ問題を繰り返し解くなど勉強法は多種多様だからです)
もう一度同じ問題を200問解いてみる
復習が一通り終わったら数日してまた解いてみましょう。
1度解いたから・・・などと考えてはいけません。むしろ答えだけを覚えている状況が一番危険です。なぜその答えになるか,なぜ他の選択肢は違うのかも説明できればOKです。

そして答え合わせが終わったところでもう一度分類してください。
なお,復習後すぐに解くと,短期記憶で残っている可能性が高いので,あえて少し時間を空けてからのほうがより効果的です。
どうなっていればOKか?
今度は(一度見たことある問題というのも含めて)90点取れたとして,
- 自信度A・正解
30問→40問 - 自信度A・不正解
10問→10問 - 自信度B・正解
30問→40問 - 自信度B・不正解
40問→30問 - 自信度C・正解
10問→10問 - 自信度C・不正解
80問→70問
のように,A・正解やB・正解が増えてB/C・不正解が減っていればかなりいい変化といえます。
逆にA・正解がほとんど増えず,B・不正解やC・不正解もあまり減っていないのであれば,単に勉強時間を増やすのではなく,勉強方法そのものを見直す必要があります。
(4)模試よりも国試で試してほしい
模試はどうしても国試と比べて癖のある問題が多く出題されます。
模試は実力を測るための一つの手段ですが,国試と同じ難易度や出題傾向ではないためここは注意しておきたいところ。
まずは国試の過去問でよく問われる知識を把握し,その上で「まだ理解できていない分野を発見する」「初見の問題に対応する力を確認する」というところを模試を通して見ていくといいと思います。
そのため,上述した内容を国試過去問にも適用して勉強していくとかなり効率も上がります。
(5)国試過去問で到達しておきたい目標
国試過去問を何度も解いて正解できるようになったことと,本番で必要な実力が身についたことは,必ずしも同じではありません。
特に,何度も解くと問題と対応する答えを覚えてしまっている状況になります。
そのため,過去問を徹底するというのは以下に挙げる目標を満たすことと考えましょう。
- 正解の根拠を説明できる。
- 最重要。
- 間違いの選択肢についても,なぜ誤りなのかを理解している。
- プール問題(過去問と同一あるいは類似問題)が出題された時の対応力が上がります。
- 問われ方が少し変わっても対応できる。
- 類似問題の対応力UP。
- 過去問で得た知識を,他の問題にも応用できる。
- 特に縦(各分野ごと)ではなく,横(○○になるとこういった検査値が△△になるといった,いわゆる分野間)のつながりができてくるとかなり応用できます。



