第70回臨床検査技師国家試験(AM1~20)の解説です。
第70回臨技国試のAM問1~20の解説です。
難易度は主観で1~10の10段階でつけています。
1:超簡単
2~3:簡単
4~5:普通
6~7:やや難問
8~9:難問
10:超難問
第70回臨技国試についてをまとめたページもありますので,まだ見ていない方はぜひそちらもご参照ください。


問題の出典:厚生労働省ホームページ 第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午前問題(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp240424-07a_01.pdf)
臨床検査総論(AM1~10)
AM 問1
解答:2・5
例年は初手変化球で攻めてくることが多かったのですが,今年は国試過去問ド直球の問題。これは正解したいところです。
最低でも尿糖・尿蛋白・尿中hCGの3種類は確実に覚えておきたいところです。
1・3・4.誤り。
2・5.正しい。
AM 問2
解答:3・4
昨年も出題された抗凝固剤の問題。この問題は昨年と異なり基礎的問題なので確実に正解したいところ。
解説は69am1を参照。
AM 問3
解答:5
今回の精度管理の問題はやや難問。内部精度管理の方法については以下の記事を参照。
偶発誤差と系統誤差に関しては以下の記事を参照。
1.誤り。これは正確さ(正確度)を指します。精密さ(精密度)は各測定値のばらつきの度合いを指します。
2.誤り。管理試料を用います。
3.誤り。±2σには全測定値の約95%が入る計算ですので,統計学的に20回に1回は外れ値が出現します。
4.誤り。これはトレンド現象です。
5.正しい。
AM 問4
解答:5
便潜血の問題。解説は67pm1を参照。
1.誤り。食事制限は不要です。
2.誤り。冷蔵保存します。
3.誤り。
4.誤り。下部消化管出血(大腸癌やポリープなどが原因)の検索に用いられます。
5.正しい。
AM 問5
解答:4
稀にしか出題されることのない範囲のため,対策は困難。余裕のある人以外はスルーでOK。
1.誤り。3か月以内に2回採取します。
2.誤り。室温で直ちに提出します。
3.誤り。液化までに20~30分は待つ必要があります。
4.正しい。
5.誤り。1500万/mL以上です。
AM 問6
解答:1
虫卵の大きさの問題ですが,最も大きいものを選べば良い問題のため特に難しくはないです。
各虫卵は67am5にまとめてあります。
1.正しい。
2~5.誤り。
AM 問7
解答:3
中間宿主と終宿主を覚えておく必要があるのでなかなか大変。
中間宿主と終宿主については68pm6に詳しくまとめてあります。
1・2・4・5.誤り。終宿主と中間宿主を混同しないように。
3.正しい。
AM 問8
解答:3・4
1・2・5.誤り。
3・4.正しい。
AM 問9
解答:5
便の性状の問題。今年度は過去問でも出題された便の特徴の問題なので正解するのは容易いです。
67am4で同様の問題が出題されていますので,便の性状を覚えていない人は確実に覚えましょう!
1~4.誤り。
5.正しい。
AM 問10
解答:4
昨年も出題された円柱の問題。こちらで対策していればそこまで難しくはありません。
円柱の種類に関しては69am4を参照。
今回はS染色で染まっておらず,円柱内の物質自体が小さめですので,赤血球円柱が正解です。(顆粒円柱の顆粒は赤血球よりもさらに小さいです)
臨床検査医学総論(AM11~15)
AM 問11
解答:1・2
Addison病をはじめとする自己免疫疾患は個別ページで詳しくまとめてあります。
1・2.正しい。
3~5.誤り。
AM 問12
解答:5
こちらも類似問題としてマーカーの問題がよく出題されていますので,対策していれば簡単です。
1.誤り。結核のマーカーです。
2.誤り。扁平上皮癌の腫瘍マーカーです。
3.誤り。間質性肺炎のマーカーです。
4.誤り。
5.正しい。
AM 問13
解答:3
ウイルスについては65pm74でまとめてあります。
注意したいのは,ATLはリンパ腫であるということです。
1・2・4・5.誤り。
3.正しい。
AM 問14
解答:2
なんの捻りもなく,絶対に落としたくない問題。正解できないとかなりヤバいです。
1・3~5.誤り。
2.正しい。
AM 問15
解答:5
58am15・67pm15で同一問題が出題。これも正解できないとヤバいです。
臨床生理学(AM16~28)
AM 問16
解答:5
圧容積曲線の問題はたまに出題されます。この機会に曲線と意味を覚えておきましょう。
5.正しい。
1~4.誤り。
AM 問17
解答:5
心電図を見てみると,4拍目の後P波が出現しているのにもかかわらずQRS波が欠落していることがわかります。これはⅡ度房室ブロックの特徴になります。

出典:厚生労働省ホームページ 第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午前問題別冊を加工して作成(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp240424-07a_02.pdf)
あとは,Wenckeback型とMobitzⅡ型を見分ける必要があります。
今回の問題はPQ時間が殆ど変わっていないので,しっかり確認しないと私のように間違える危険性が・・・。



出典:厚生労働省ホームページ 第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午前問題別冊を加工して作成(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp240424-07a_02.pdf)
QRS波が欠落する前と後でPQ時間が変わっているので,Wenckeback型が正解になります。
なお,房室ブロックは66pm17で,心電図の基準値は67am16でそれぞれ解説しています。
【房室ブロック】
【心電図基準値】
1・2.誤り。脚ブロックはQRS波の幅が広がるのが特徴です。本問の画像はQRS幅に異常は認めず(0.06~0.08s),間違いです。
3.誤り。Ⅲ度房室ブロックはP波とQRS波が独立して出現するのが特徴です。
4.誤り。しっかりとPQ時間を確認しないと間違えてしまうので注意しましょう!
5.正しい。
AM 問18
解答:4
Holter心電図は65pm18で解説しています。陽極(+)と陰極(ー)を間違えないように注意しましょう!
1・3・5.誤り。
2.誤り。こちらは陰極(ー)になります。
4.正しい。
AM 問19
解答:1・4
過去問で何度も言っている通り,スパイロメトリ(肺活量測定)だけでは残気量を求めることができません!そのため,機能的残気量(FRC)測定が必要になります。
【呼吸機能検査の種類】
【肺気量分画・フローボリューム曲線】
1・4.正しい。
機能的残気量(FRC)および最大換気量(IC)肺活量(VC)を測定することで残気量(RV)を求めることができます。
2・3・5.誤り。
AM 問20
解答:3
フローボリューム曲線の疾患別種類については65pm21で解説しています。
また呼吸機能検査値と疾患に関しては66pm20で解説しています。
今回の呼吸機能検査とフローボリュームの結果をまとめてみます。
- %VC(VCの実測値/予測値)=↓
- FEV1.0%=→
- FRC・TLC=↓
- %RV(RVの実測値/予測値)=↓
- %DLCO(DLCOの実測値/予測値)=↓
- フローボリューム曲線が横に縮こまった形
このことより拘束性換気障害,本問では間質性肺炎が正解となります。
1.誤り。
2・4.誤り。これらは閉塞性換気障害です。
3.正しい。
5.誤り。神経筋疾患ではDLCOに変化は見られず,また残気量(RV)は増加します。
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時間の都合上,まだ解説が完成していません!
完成まで今しばらくお待ちください。




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