臨床検査技師国家試験に合格するための勉強法を簡単にまとめています。対策を始めるタイミングや勉強時間等を知りたい方は見てみるといいかも。
いつから始めればいいの?
※ここでは4年制大学を想定して書いています。












遅くとも10月ごろまでには始めたいです。
(本気を出せば4年の1月末から始めても間に合いますが,1日の勉強時間をかなり確保しなければならないうえ,メンタルが強くないと相当厳しいのでおすすめしません)
4年次は研究と病院実習があり時間的余裕が少ないため,早めに始めて少しずつ確実に積み上げていくのが一番コスパがいいように感じます。
遅かれ早かれ勉強せざるを得ないので(遅く始めたところで必要となる勉強時間が減るわけではない!),それなら1日の負担をできる限り減らすほうがいいでしょう。
もし,今見ている人が3年生(もしくは国家試験受験する学年の1つ下の学生)ならチャンスです!
時間があれば少しずつまとめていけば国家試験を受ける年にはかなり楽になるので,ちょっとずつ勉強しておきましょう。
勉強時間はどれくらい?












1日8時間勉強なら25日(約3.5週),1日1時間勉強なら200日(約7か月弱)で完成できるレベルです。ということは,4年の5月から1日1時間欠かさず勉強をしていけば,12月頃までには完成できる計算です。
最初から1日1時間はしんどいので,まずは1日10分程度のペースで始め,余裕が出てきたら少しずつ勉強時間を増やしていくようにすれば,12月ごろまでには完成できると思います。
(覚えることが苦手な人はもう少し勉強時間を確保しなければいけませんが・・・)
大事なことは,継続していくことです。最初から無理な目標は立てず,続けられるような目標を立てていきましょう。
どこから勉強すべき?












点数配分的には臨床化学と病理を先にするのが点数を伸ばす上で簡単そうではありますが,この2つは覚えることが多い上に取っつきにくいというデメリットがあります。しかも上記の通り,6割取るのに必要な勉強時間も多いため,この2つから始めてしまうとモチベーションを保つのが大変です。
なので,まずは自分の興味のある分野,または好きな分野を最初に始めるのがおすすめです。
(苦手な分野は勉強のコツを掴んでから始めても十分間に合います)












どこからしていけばいいか決められない人は,まず血液と医療工学(医用工学概論)から取り掛かりましょう。
「医療工学!?冗談でしょ?」と思う人もいると思いますが,医療工学は最初の取っ付きにくささえ耐えれば,覚えることが少ないので,少ない勉強時間で簡単に高得点が狙えます。
血液は他の分野と比べて取っ付きやすく勉強がしやすいため,こちらも比較的簡単に6割取れるようになります。
血液と医療工学が一通り終わったら,他の分野にも手を出していきましょう。
で,具体的な勉強法は?
みなさんここが一番知りたいところだと思います。
さて,どのような勉強法が一番いいのでしょうか。これは人によって異なるので,詳細までは語りませんが,どんな人にも当てはまる基本的な勉強方法があります。
それは,国家試験の過去問を繰り返し解くということです。
もう一度言います。重要なことは国家試験の過去問を繰り返し解くということです。
これは絶対に譲れません。というか,過去問なしで国試に受かるような人はほぼいないと思います。(もしそういう人がいたら天才です)
どんな勉強法であれ,行きつく先は国試過去問です。学内模試や全国模試で上位に入るような人も,ほぼ例外なく国試の過去問を基礎に勉強しているはずです。
私が3・4年のときに作った勉強ノート(参考書)も,国試過去問を分析するところから始まりました。「過去問を分析し,出題されるところを自分にまとめる」これが私の勉強でした。もちろん,これは複数ある1つの方法にすぎませんが,国試過去問が基礎にあることには変わりありません。
自分に合った勉強法を見つけるために,いろいろな勉強法を試すのは有効ですが,国試過去問を基礎とするということは忘れないでください。
これで終わってもいいのですが,さらに具体的に私の勉強法を紹介します。
これは私が受けた64回の国試の病理の問題です。
この問題の答えは3です。……が,選択肢だけを覚えるというのは勉強にはなりません。
答えだけ覚えても,選択肢が変わると対応できませんので。
そこで重要なのは,こんなふうにまとめること。ここまでまとめるのは大変なので,臓器名と赤字部分だけで十分。(他にもまとめ方はいろいろあると思いますが,自分のしっくりくる方法でまとめましょう)
こうしてまとめておくと,同じような問題が出題されても余裕で対応できます。そして,こういった数値を覚える際には,きちんとした数値ではなく,大体の数値で覚えておくこと。
大体の数値でいい理由は,国試では正常よりもかなりかけ離れた値が正解(間違い)になることが大半だからです。(今回の問題も肝臓の正常が1000gなのに対し,選択肢は300gと,70%の乖離あり)
まとめた後は,国試の過去問を総ざらいし,さらにどれくらい類似問題が出題されているのかも確認しましょう。出題数が多いほど,今後も出題されやすいと推測できます。
事実,この問題は64回以前にも5問出題されており,かなり出題頻度が高いことが64回の国家試験を受ける前から分かっていました。なので私は同級生の友達にも,ここはしっかり覚えておくようアドバイスしていました。
つまり,過去問をちゃんと勉強していれば容易い問題だったということです。
このことからも,国試過去問を勉強することがどれだけ重要かわかっていただけたと思います。
もちろん,ここまでうまくいく問題はそこまでないにせよ,過去に2回以上出題されているような問題はまとめておく必要があります。
(この国試過去問ノートにある胚葉の問題は過去に4問,染色体異常と遺伝形式の問題が3問程度出題されています)
国試の過去問を勉強する際は,正解の選択肢だけでなく,その周囲の知識もあわせて勉強していきましょう。
もう1問例題を。
医療工学を勉強している人なら察しが付くと思いますが,この問題は過去に何度も出題されている,いわゆる頻出問題の1つです。
答えは3です。が,それだけを覚えていては,国試の過去問勉強をする意味がありません。
この問題をしっかり勉強するのであれば,以下のようにトランスデューサ全般をきっちりまとめましょう。
ちなみに,この問題はゴロで簡単に1点取れる,いわばボーナス問題みたいなものです。
そして,類似問題がこちらです。
これだけ出題されていれば,勉強しないほうがもったいないくらいですね。
さて,最後にもう1度。
国家試験の過去問を繰り返し解きましょう。
そして,正解の選択肢周辺の知識も同時にまとめましょう。
これが合格の近道です。






睡眠は大事












今更私から言うまでもないですが,効率よく知識をインプットするためにも,無理せずしっかり睡眠をとるようにしましょう。
心の持ち方
精神論的な考え方になりますが,勉強1つとってみても,どう考えるかによってかなり勉強の質が変わってきます。
つまり,「今日も3時間勉強しないといけない。面倒だなぁ。」といった,やらされている感覚を持って勉強するよりも,「今日はここを完璧にしよう!」という感じで,自ら勉強したいという気持ちを持つことが大事です。
嫌々勉強する人と,進んで勉強する人が同じ時間だけ勉強したときに,どちらのほうが成績が伸びやすいのかは火を見るより明らかだと思います。
また,勉強するときは,自分でルールを作ることも重要です。例えば「今週で総論を終わらせる」「今日はこの2ページを完璧に覚える」といった感じでルールを決めていけば,ただ勉強をこなしていくよりも効率よく知識をインプットでき,自ら勉強したいという気持ちも湧き上がってくると思います。
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