医療工学の分野でよく出題されるSI単位・SI接頭辞・SI組立単位について説明します!単位があいまいな方必見!
各見出しの重要度は,過去の臨床検査技師国家試験(第52回~最新回まで)の出題率や覚えやすさなどを考慮して主観で表記しています。国家試験を受ける学生以外の方は無視してかまいません。
SI単位(重要度:★★★☆☆)
物理量には基本的に単位が存在します。
皆さんに馴染みの深いものといえば「m(メートル)」や「g(グラム)」でしょう。
この単位のうち,国際的に定められた単位をSI単位といいます。SI単位は以下の7つがあります。
物理量 | 基本単位 | 読み方 |
長さ | m | メートル |
質量 | kg | キログラム |
時間 | s | 秒 |
電流 | A | アンペア |
絶対温度 | K | ケルビン |
物質量 | mol | モル |
光度 | cd | カンデラ |
SI接頭辞(重要度:★★★★★)
SI接頭辞は単位の前に付けられる記号です。
最もメジャーなのは「k(キロ)」と「m(ミリ)」でしょう。それ以外にも主として以下のようなものがあります。
名称 | 記号 | 10n | 名称 | 記号 | 10n |
デカ | da | 101 | デシ | d | 10-1 |
ヘクト | h | 102 | センチ | c | 10-2 |
キロ | k | 103 | ミリ | m | 10-3 |
メガ | M | 106 | マイクロ | μ | 10-6 |
ギガ | G | 109 | ナノ | n | 10-9 |
テラ | T | 1012 | ピコ | p | 10-12 |
ペタ | P | 1015 | フェムト | f | 10-15 |
エクサ | E | 1018 | アト | a | 10-18 |
エクサ・アトはほぼ出題されないと思いますが,それ以外はたまに出題されます。
SI組立単位(重要度:★★★★★)
SI組立単位は,SI単位を複数個組み合わせることによってできる単位です。
例えば,電気抵抗(インピーダンス)の単位である「Ω(オーム)」は,SI単位ではm2·kg·s-3·A-2と表せます。
主なSI組立単位には以下のようなものがあります。
数はかなり多いですが,これは結構な頻度で出題されるので,単位と組立量の組み合わせは必ず覚えておきたいところです。
なお,放射線のところで出てくる単位である「Bq(ベクレル)」「Gy(グレイ)」「Sv(シーベルト)」は混同しやすいので,以下のように覚えます。
- 放射能(“ほ”うしゃのう)→は行→ベクレル
- 吸収線量(“き”ゅうしゅうせんりょう)→か行→グレイ
- 線量当量(“せ”んりょうとうりょう)→さ行→シーベルト
練習問題
問1 国際単位系のSI単位でないのはどれか。
1.アンペア(A)
2.モル(mol)
3.グラム(g)
4.メートル(m)
5.秒(s)
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解答:3
SI単位はgではなく,kgです。間違えないように!
なお,他にcdとKがあります。
問2 1012に相当する接頭語はどれか。(第60回臨床検査技師国家試験am95)
1.ギガ
2.テラ
3.デカ
4.ヘクト
5.メガ
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解答:2
1.109
3.101
4.102
5.106
SI接頭辞は必ず覚えておきたいところ。
問3 単位と物理量の組み合わせで正しいのはどれか。 (第64回臨床検査技師国家試験pm95)
1.A=インダクタンス
2.C=電荷
3.F=電力
4.H=磁束密度
5.T=キャパシタンス
- 解答を見る
解答:2
1.A=電流
インダクタンス=H
3.F=静電容量
電力=W
4.H=インダクタンス
磁束密度=T
5.T=磁束密度
キャパシタンス(静電容量)=F
覚えるまでが一苦労ですが,覚えていれば楽に得点できるので必ず覚えておきたいところ。
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