謹賀新年
みなさんあけましておめでとうございます!
もう1月も1/3が終わったところですが・・・。
あっという間に1年が経つので本当にびっくりします。
お正月も仕事やプライベートで忙しく,結局更新できずじまいでした。
まだ第70回の解説が全然完成していないのですが,2026年もゆっくり頑張ります。ここ最近は本当にいろいろ忙しくてなかなか更新できず申し訳ないです。
今年は久しぶりにお年玉問題を作成しました。ぜひ解いてみてください。
厳選した問題はすべて国家試験で出題される「臨床化学の計算問題」なので,ここが苦手な人は涙目かもしれません。

お年玉
問1 ある物質Aを波長405nmで測定したところ,吸光度は0.25であった。この物質のモル濃度[μmol/L]はどれか。ただし,物質Aの分子吸光係数は5.0×105[L/mol・cm],光路長は1.0cmとする。
1.0.05
2.0.5
3.5
4.50
5.500
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解答:2
Lambert-Beerの法則を利用します。
吸光度(A)=分子吸光係数(ε)[L/mol・cm]×モル濃度(c)[mol]×光路長(l)[cm]求めたい濃度をc[mol/L]として今回の問題に当てはめると
$$0.25=5.0\times 10^5\times c\times 1.0$$
$$c=\frac{0.25}{5}\times 10^{-5}=0.5\times 10^{-6}=0.5\,\mathrm{μmol}$$
問2 空腹時の血液検査で総コレステロール:226mg/dL,HDL-コレステロール:55mg/dL,トリグリセリド:165mg/dLであった。Friedewald の計算式でのLDL-コレステロール値[mg/dL]はどれか。
1.52
2.91
3.118
4.138
5.184
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解答:4
Friedewald の計算式は,LDL-cho=T-cho-HDL-cho-TG/5です。
よって,LDL-choは$$\,\mathrm{LDL}=226-55-\frac{165}{5}=171-33=138$$
となります。
問3 半減期5日の物質が1/16になるまでに必要な日数はいくらか。
1.5
2.10
3.15
4.20
5.25
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解答:4
5日毎に1/2になるので,1/16になるまでに必要な日数は
5(ここで1/2)+5(ここで1/4)+5(ここで1/8)+5(ここで1/16)=20となります。
問4 血清0.2mLを使用し,10分間の酵素反応を行ったところ,50nmolの基質量が変化した。国際単位[U/L]として正しいのはどれか。
1.5
2.25
3.50
4.250
5.500
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解答:2
酵素活性の国際単位の定義は「1分間に1μmolの基質の変化を行う酵素活性を1Uとする」とされています。(つまり,U=μmol/min)
通常はU/Lで表されるため,U/L=μmol/min・Lとなります。
酵素活性をx[U/L],時間をt[min],基質変化量をc[μmol],全溶液量をV[L]とすると,(※それぞれの単位に注意!)$$x=\frac{c}{t\times V}$$
今回の問題に当てはめると,
V=0.2 mL=0.2×10-3 L
t=10 min
c=50 nmol=50×10-3 μmol であることに注意して$$x=\frac{50\times 10^{-3}}{10\times 0.2\times 10^{-3}}$$
$$x=\frac{50}{2}=25$$
となります。
問5 血清CK活性の測定において,2分間の吸光度増加量が0.07であった。この血清のCK活性[U/L]として正しいのはどれか。ただし,NADPHのモル吸光係数6.3×103[L/mol・cm],試料量10μL,試薬量350μLとする。
1.25
2.50
3.100
4.200
5.400
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解答:4
酵素活性をx[U/L],基質変化濃度をc[mol/L],任意の時間をt[min],任意の時間における吸光度変化量をΔA,モル吸光係数をε,セルの光路長をl[cm],試薬量をVr[μL],試料量をVs[μL]とすると,
$$x=\frac{ΔA}{t}\times \frac{1}{ε\times l}\times\frac{Vr+Vs}{Vs}\times 10^6$$
今回の問題に当てはめると,光路長l=1.0として
$$x=\frac{0.07}{2}\times \frac{1}{6.3\times 10^3\times 1.0}\times\frac{350+10}{10}\times 10^6$$
$$x=0.035\times \frac{1}{6.3\times 10^3}\times 36\times 10^6$$
このままではわかりにくいので,一部計算式を分解し,さらに1/103を10-3として106と打ち消して103にしてしまいます。
$$x=(5\times 10^{-3}\times 7)\times \frac{10}{9\times 7}\times (9\times 4)\times 10^3$$
これで10-3と103,および7と9がそれぞれ消えるので,
$$x=5\times 10\times 4=200$$
となります。
問6 2ポイント法の測定で,第1試薬添加後の検体盲検の吸光度が0.010であった。また,第2試薬添加後の検体試料の測定値(吸光度)が0.859であった。これを検体盲検補正するといくらになるか。ただし,血清量10μL,第1試薬量260μL,第2試薬量30μLであり,第2試薬そのものは吸収波長での吸光度を示さないものとする。
1.0.848
2.0.850
3.0.858
4.0.862
5.0.869
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解答:2
第1試薬実測吸光度をA1,第2試薬実測吸光度をA2,盲検補正後吸光度をAc,検体量をV,第1試薬量をV1,第2試薬量をV2とすると,
$$Ac=A_2-A_1\times \frac{V+V_1}{V+V_1+V_2}$$
cとは最終的な真の吸光度のこと。 A2は測り終えたばかりの吸光度であり,これは実際には第1試薬の吸光度A1も含まれています。したがって,真の吸光度を出すためにはA2からA1を引く必要があります。ただし,注意点として,第1試薬の吸光度自体も,第2試薬を入れた段階で希釈されているため,希釈分を補正する必要があり,これが(V+V1)/(V+V1+V2)です。
本問に当てはめると,
$$Ac=0.859-0.010\times \frac{10+260}{10+260+30}$$
$$Ac=0.859-0.010\times 0.9$$
$$Ac=0.859-0.009=0.850$$
となります。
問7 Michaelis-Mentenの式に従う酵素反応において,Km値が10mmol/Lであるとき,最大反応速度(Vmax)の90%の速度になる基質終濃度[mmol/L]はどれか。
1.10
2.20
3.80
4.90
5.100
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解答:4
基質濃度を[S][mol/L],任意の反応速度をv[m/s]とすると,Michaelis-Mentenの式より,$$v=\frac{Vmax・[S]}{Km+[S]}$$
$$v=\frac{Vmax・[S]}{10\times 10^{-3}+[S]}$$
ここで,最大反応速度(Vmax)の90%の速度と定義されているので,
v=0.9Vmaxを代入すると$$0.9Vmax=\frac{Vmax・[S]}{10\times 10^{-3}+[S]}$$
$$0.9Vmax\times (0.01+[S])=Vmax・[S]$$
$$0.009+0.9[S]=[S]$$
$$[S]=0.09\,\mathrm{mol/L}=90\,\mathrm{mmol/L}$$
となります。
問8 遊離グリセロール濃度が5mg/dLの血清を試料として,グリセロール非消去法でトリグリセライドを測定したところ200mg/dLであった。この血清をグリセロール消去法で測定した場合のトリグリセライド値[mg/dL]に最も近いのはどれか。ただし,オレイン酸とグリセロールの分子量をそれぞれ282,92とする。
1.149
2.182
3.185
4.195
5.198
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解答:1
グリセロール消去法のTG濃度をTe[mg/dL]
グリセロール非消去法のTG濃度をTn[mg/dL]
グリセロール濃度をG[mg/dL]
脂肪酸分子量をMF
グリセロール分子量をMGとすると,$$G=(Tn-Te)\times \frac{M_G}{M_G+3M_F}$$
グリセロール消去法と非消去法の差(つまり,Tn-Te)が遊離グリセロールに関与するTGの濃度を表します。
TGはグリセロール1分子+脂肪酸3分子であるため,TGの分子量はMG+3MF。したがって,グリセロール濃度を求める場合は,遊離グリセロール関与TGの濃度にグリセロールの割合を表す$\frac{M_G}{M_G+3M_F}$を掛ければOKです。本問では
$$5=(200-Te)\times \frac{92}{92+3\times 282}$$
ここで,92/(92+846)=92/938≒0.1とすると,
$$5=(200-Te)\times 0.1$$
$$Te=150$$
これに最も近いのは149です。
ちなみに,92/938=0.0981。これで計算するとTe=149.03となります。






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