謹賀新年
みなさんあけましておめでとうございます!!
1年が早いと感じるようになったおるてぃです。
もう年ですねぇ(笑)
ブログを始めてから1年弱経っているのですが,記事数はまだまだですね。
リアルでやりたいことがいろいろあってなかなか更新できないのが原因なのですが……。
まあ,このブログはブログ名の通り,ひとりごとをつらつらと書いてるだけなので,今後も不定期に更新していこうと思います。
(まずは65回国試の午後の解説をやらないとなぁ)
さて,こんなことばかり書いていてもしょうがないので,お年玉ということで問題を用意しました。
国試でよく出る問題なので,解けなかった問題は必ず解けるようにしておきましょう!
お年玉
問1 採取した中間尿を室温で数時間放置した。この尿を尿試験紙で検査した際の結果として誤っているのはどれか。(検査総論)
1.尿が酸性化する。
2.尿混濁が強くなる。
3.尿糖が陰性化する。
4.尿潜血が陰性化する。
5.尿ビリルビンが陰性化する。
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解答:1
尿放置で増加するのは,pH・混濁・比重です。
よって,尿放置で尿のpHは上がります(=アルカリ化)。
なお,尿蛋白は尿放置の影響をほとんど受けません。
問2 偶発誤差の要因はどれか。2つ選べ。(検査総論)
1.比色時の気泡混入
2.分析装置の変更
3.試薬の劣化
4.ピペットの操作ミス
5.標準液の作製ミス
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解答:1・4
偶発誤差とは,器具の汚染や測定者の不注意により生じる,再現性の低下を伴い,測定値がばらつくことです。ばらつきに傾向性がなく,そのときどきによって考えられる値より高値や低値を示します。
つまり,「上手い人と下手な人で(それ以外の条件が同じと仮定して)結果に差が出るようなもの」かつ,「そのミスが次の検査に影響を与えないもの(一過性のもの)」を選べばOKです。
1・4.上手い人であれば気泡の混入や操作ミスはほとんどないので,結果がよくなりやすいのでこれらは偶発誤差です。また,このミスは1回1回の検査に影響があっても,その後には影響しないので一過性と言えます。
2・3.同じ分析装置や試薬を使う以上,上手い人でも下手な人でも結果にずれが生じます。したがって,これらは系統誤差です。
5.これは注意が必要な選択肢です。ミスといえば偶発誤差と考えがちですが,ここで考えるのは「作製ミスした標準液を使い続けた場合」です。つまり,このミスが次の検査に影響を与えてしまうため,一過性ではありません(よくない標準液を使う以上,上手い人でも下手な人でも結果にずれが生じるということ)。よって,これは系統誤差です。
問3 心電図を示す。考えられるのはどれか。(生理)
1.上室性期外収縮
2.心房細動
3.心房粗動
4.第1度房室ブロック
5.左脚ブロック
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解答:2
P波が出現していないこと(+細動波(f波)の出現),R-R間隔が不整であることから,考えられるのはAf(心房細動)です。
1.期外収縮の出現はありません。
3.心房粗動ではR-R間隔は一定で,粗動波が認められます。
4.PQ時間≧0.21s以上であることが診断基準ですが,P波が欠落している以上,診断できません。
5.QRS幅は大体0.08sである上,V1やV2誘導にrSパターンが認められないので,LBBBは否定できます。
問4 推算糸球体濾過量(eGFR)の算定に必要なのはどれか。2つ選べ。(臨床化学)
1.年齢
2.身長
3.体重
4.尿クレアチニン値
5.血清クレアチニン値
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解答:1・5
eGFRは年齢・性別・血清クレアチニン値から算出できます。
問5 術中迅速診断用標本作製で正しいのはどれか。2つ選べ。(病理)
1.脂肪組織の薄切は-35℃前後で行う。
2.急速に凍結すると組織障害が大きくなるため,凍結は緩徐に行う。
3.凍結を行うため,感染防止には注意を払わなくてもよい。
4.包埋剤にはセロイジンが汎用されている。
5.薄切装置はMinot型ミクロトームで,クリオスタットと呼ばれる。
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解答:1・5
1.正しい。基本的な薄切温度は-25~-20℃(ここ重要!)ですが,脂肪の多い組織の場合は薄切しやすいよう,さらに温度を下げて-35℃前後で薄切します。
2.誤り。緩徐な凍結は組織・臓器に大きな障害を与えるため,凍結は素早く。
3.誤り。固定を薄切後に行うため,薄切時には未固定の組織を扱います。そのため,病原体の感染(特に結核)には細心の注意を払う必要があります。
4.誤り。包埋剤は水溶性のもの(ゼラチンやOCTコンパウンド)を用います。セロイジンやパラフィンは非水溶性なので使えません。
5.正しい。
問6 欠損すると出血傾向をきたすのはどれか。2つ選べ。(血液)
1.組織型プラスミノゲンアクチベーター(t-PA)
2.アンチトロンビン
3.プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI-1)
4.プロテインC
5.α2-プラスミンインヒビター(α2-PI)
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解答:3・5
ここは混同しやすいので,落ち着いて考えましょう。
まずは,下の表を覚えます(それぞれが凝固・線溶のどちらに属するか,促進・抑制のどちらに働くのかを覚えましょう)凝固 線溶 ↑ ↓ ↑ ↓ 血小板 一酸化窒素 組織型プラスミノゲン
アクチベーター(t-PA)プラスミノゲンアクチベーター
インヒビター-1(PAI-1)凝固因子 プロスタサイクリン プラスミン α2-プラスミンインヒビター
(α2-PI)von Willebrand因子
(vWF)アンチトロンビン プラスミノゲン コラーゲン 組織因子経路インヒビター
(TFPI)トロンボモジュリン プロテインC・S ヘパリンコファクターⅡ 以下,混同しやすいもの。
- 組織因子経路インヒビター(TFPI)
組織因子(TF)(凝固↑)がかかわる凝固経路を阻害する(インヒビター)ため,凝固↓ - 組織型プラスミノゲンアクチベーター(t-PA)
プラスミノゲン(線溶↑)を活性化する(アクチベーター)ため,線溶↑ - プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)
プラスミノゲン(線溶↑)を活性化するもの(アクチベーター)を阻害する(インヒビター)ため,線溶↓ - α2-プラスミンインヒビター(α2-PI)
プラスミン(線溶↑)を阻害する(インヒビター)ため,線溶↓
次に,組み合わせを覚えます。
凝固↑=血栓傾向(不要な血栓ができすぎる)
凝固↓=出血傾向(必要な血栓ができない)
線溶↑=出血傾向(必要な血栓まで溶かす)
線溶↓=血栓傾向(不要な血栓を溶かせない)この組み合わせを覚えて,欠損=矢印反転と覚えれば簡単です。
後は,選択肢を考えてみましょう。
1.誤り。t-PAは線溶↑。これが欠損すると線溶↓=血栓傾向となります。
2.誤り。アンチトロンビンは凝固↓。これが欠損すると凝固↑=血栓傾向となります。
3.正しい。PAI-1は線溶↓。これが欠損すると線溶↑=出血傾向となります。
4.誤り。プロテインCは凝固↓。これが欠損すると凝固↑=血栓傾向となります。
5.正しい。α2-PIは線溶↓。これが欠損すると線溶↑=出血傾向となります。- 組織因子経路インヒビター(TFPI)
問7 新生児髄膜炎患者の髄液をチョコレート寒天培地・5%ヒツジ血液加寒天培地・BTB乳糖寒天培地に分離培養した。後二者の培地を示す。集落からのGram染色所見はGram陽性球菌であった。この菌種の性状で考えられるのはどれか。(微生物)
1.カタラーゼ陽性
2.バシトラシン感受性
3.オプトヒン感受性
4.CAMPテスト陽性
5.DNase陽性
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解答:4
新生児髄膜炎の原因菌は2つだけ覚えておけばまず問題ありません。- Streptococcus agalactiae
- Escherichia coli
今回はBTB乳糖加寒天培地に発育陰性であること,Gram陽性球菌であることから,Streptococcus agalactiaeが考えられます。
1.誤り。Staphylococcus spp.やNeisseria spp.・Moraxella spp.・Corynebacterium spp.などで陽性です。
2.誤り。Streptococcus pyogenesが該当します。
3.誤り。Streptococcus pneumoniaeが該当します。
4.正しい。他にListeria monocytogenesも該当します。
5.誤り。Staphylococcus aureus・Streptococcus pyogenes・Moraxella catarrhalis・Serratia marcescens・Stenotrophomonas maltophiliaが該当します。
問8 炎症性疾患において減少する蛋白はどれか。2つ選べ。(免疫)
1.ハプトグロビン
2.セルロプラスミン
3.血清アミロイドA蛋白
4.トランスフェリン
5.アルブミン
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解答:4・5
炎症で減少する蛋白は,アルブミン+トランス~~(トランスフェリン・トランスサイレチン)の3種類なので,これらを必ず覚えておきましょう!
問9 ある疾患について,2,000人の集団に対してスクリーニング検査を実施したところ,以下の結果が得られた。スクリーニング検査結果の解釈で正しいのはどれか。2つ選べ。(公衆衛生)
疾患あり | 疾患なし | 合計 | ||
スクリーニング検査 | 陽性 | 150 | 100 | 250 |
陰性 | 50 | 1,700 | 1,750 | |
合計 | 200 | 1,800 | 2,000 |
1.有病率:10.0%
2.感度:60.0%
3.特異度:94.4%
4.陽性的中率:75.0%
5.陽性尤度比:3.76
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解答:1・3
1.正しい。有病率は$$\frac{\,\mathrm{疾患ありの人数}}{\,\mathrm{全人数}}$$で表せます。したがって,$$\frac{200}{2000}=0.1=10%$$となります。
2.誤り。感度は$$\frac{\,\mathrm{疾患ありの人数のうちの陽性の人数}}{\,\mathrm{疾患ありの人数}}$$で表せます。したがって,$$\frac{150}{200}=0.75=75%$$となります。
3.正しい。特異度は$$\frac{\,\mathrm{疾患なしの人数のうちの陰性の人数}}{\,\mathrm{疾患なしの人数}}$$で表せます。したがって,$$\frac{1700}{1800}=0.944・・・=94.4%$$となります。
4.誤り。陽性的中率は$$\frac{\,\mathrm{陽性の人数のうちの疾患ありの人数}}{\,\mathrm{陽性の人数}}$$で表せます。したがって,$$\frac{150}{250}=0.6=60%$$となります。
5.正しい。陽性尤度比は$$\frac{\,\mathrm{感度}}{1-\,\mathrm{特異度}}$$で表せます。したがって,$$\frac{0.75}{1-0.944}=13.392・・・=13.4$$となります。
問10 トランスデューサとその変換される電気量の組み合わせで正しいのはどれか。(医療工学)
1.ストレンゲージ:電流
2.SQUID:抵抗
3.サーミスタ:起電力
4.ポテンショメータ:電流
5.圧電素子:起電力
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解答:5
1.誤り。変位を抵抗に変換します。
2.誤り。磁場を電流に変換します。
3.誤り。温度を抵抗に変換します。
4.誤り。変位を抵抗に変換します。
5.正しい。温度を起電力に変換します。
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