第66回臨床検査技師国家試験(PM21~40)の解説です。
第66回臨技国試のPM問21~40の解説です。
難易度は主観で1~10の10段階でつけています。
1:超簡単
2~3:簡単
4~5:普通
6~7:やや難問
8~9:難問
10:超難問
第66回臨技国試についてをまとめたページもありますので,まだ見ていない方はぜひそちらもご参照ください。
問題の出典:厚生労働省ホームページ 第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp200414-07b_01.pdf)
臨床生理学(PM16~28)
PM 問21
解答:3
1問前(66pm20)の解説に使った表を覚えていれば簡単に正解できます。表は覚えておきたいところです。
PM 問22
解答:3
エコーの実習を真面目に受けていれば簡単ですが,そうでなければ意外と苦戦する問題。
なお,61am23でもほぼ同様の画像が出題されていますので,そちらでしっかり対策していれば正解することは容易です。
1・2・4・5.誤り。
3.正しい。
PM 問23
解答:2
なんと65回(65pm25)に引き続き今年も同様の問題が出題。過去問対策していれば余裕で正解できますね。
1.誤り。リニアプローブを用いるため,最も周波数が高いです。
2.正しい。心臓はセクタプローブを用い,最も周波数が低いです。
3~5.誤り。いずれもコンベックスプローブを用いるため,周波数はセクタよりも高いです。
PM 問24
解答:3
10/20法の電極記号とその部位は確実に覚えておきましょう。
また,電極位置も覚えられるのであれば覚えておきたいです。(やや優先順位は低めですが)
1・2・4・5.誤り。
3.正しい。
PM 問25
解答:5
65am25の解説をもとにきちんと対策していればこの問題も正解できますね。
1.誤り。3Hz棘徐波複合です。
2.誤り。ヒプスアリスミアです。
3.誤り。6Hz&14Hz陽性棘波です。
4.誤り。1.5~2.5Hz鋭徐波複合です。
5.正しい。
PM 問26
解答:5
超難問。解ける必要はありません。
1.誤り。同期性はありません。
2.誤り。
3.誤り。
4.誤り。規則性はありません。
5.正しい。
PM 問27
解答:4
こちらも超難問。
プロトン密度強調画像は関節内の構造を知るときに有用とされています。
1~3・5.誤り。
4.正しい。
PM 問28
解答:4
難問。生理の後半は難問ぞろいですね。
1~3.誤り。
4.正しい。交感神経節前線維・副交感神経節前線維の伝達物質でもあります。
5.誤り。交感神経節後線維の伝達物質です。
臨床化学(PM29~44)
PM 問29
解答:3
ご丁寧にMichaelis-Mentenの式が書いてあるので簡単です。
Vmaxの98%を得るためと書いてあるため,$v=0.98V_{max}$となります。また,$K_m=2\,\mathrm{mmol}$という情報もあるため,これらを式に代入すると
となります。
1・2・4・5.誤り。
3.正しい。
PM 問30
解答:1・4
- 膵Langerhans島A細胞=グルカゴン
- 膵Langerhans島B細胞=インスリン
- 膵Langerhans島D細胞=ソマトスタチン
1・4.正しい
2.誤り。小腸から分泌されます。
3.誤り。卵巣から分泌されます。
5.誤り。十二指腸から分泌されます。
PM 問31
解答:5
放射線感受性は骨髄やリンパ組織などの造血器系が最も高く,次いで精巣や卵巣などの生殖器系です。逆に神経組織は最も低いです。
PM 問32
解答:5
57am41を対策していれば簡単な問題でした。
アミラーゼの問題も比較的出題されやすいので(57am41・59am38・60am39)対策しておきましょう。
【基本事項】
加水分解酵素の1つ。
ヒトにはα-アミラーゼのみ存在し,多糖類のα-1,4-グリコシド結合を内部からランダムに切断するエンド型の消化酵素である。
活性中心:Ca
活性化:Cl
分子量はアルブミンより小さく,糸球体で濾過される。また,半減期はおよそ2~4時間。
【アイソザイム】
P型とS型の2種類がある。
P型は膵臓(pancreas)由来,S型は唾液腺(salivary)および卵巣・肺・肝・小腸などの臓器由来である。
【増加する疾患】
P型高値:膵炎
S型高値:唾液腺炎症,アミラーゼ産生腫瘍(肺癌,卵巣癌など)
P・S型高値:腎不全
1~4.誤り。
5.正しい。
PM 問33
解答:3・4
近年頻出問題。65pm40でも類似問題が出題されていました。必ず対策を!
1・2・5.誤り。いずれも骨形成マーカーです。
3・4.正しい。
PM 問34
解答:5
副甲状腺機能亢進ではPTH産生↑。PTHが増えることにより,以下の作用が増幅します。
- 血中カルシウム濃度↑
- 血中リン濃度↓
- 骨のカルシウム溶出
- 腸管のカルシウム吸収↑
1.誤り。骨のカルシウムが溶出するため,骨密度が低下し骨折しやすくなります。
2.誤り。
3.誤り。
4.誤り。HCO3-再吸収抑制により代謝性アシドーシスを呈します。
5.正しい。二次性副甲状腺機能亢進症で見られる所見です。
PM 問35
解答:1
心筋梗塞マーカーは65pm12で解説してあります。
また,LDのアイソザイムについては65am32で解説してあります。
1.適切でない。心筋梗塞で増加するLDのアイソザイムはLD1・LD2です。
2~5.適切。
PM 問36
解答:1
57pm40のプール問題。この問題を対策しておけば簡単。
そうでない場合は,CKの測定に用いられる反応を覚えていないと難しいです。
クレアチンリン酸 + ADP → クレアチン + ATP
グルコース + ATP → グルコース-6-リン酸 + ADP
グルコース-6-リン酸 + NADP → 6-ホスホグルコン酸 + NADPH
反応経路中の黄色蛍光色で示した部分が,試薬に含まれているものになります。
また,これ以外に,直接活性測定の反応系には関与しないAMPやN-アセチルシステインが添加されている。
1.正しい。
2~5.誤り。
PM 問37
解答:2
アミノトランスフェラーゼとはAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)のこと。
ホロ化とは活性化させること。ホロ化には補酵素が必要となります。
ASTとALTの補酵素はピリドキシン(ピリドキサールリン酸)であるため,2が正解となります。
2.正しい。
1・3~5.誤り。
PM 問38
解答:3・4
難問。
CKDの分類に用いられるのはeGFR(推算糸球体濾過量)と尿蛋白です。
1・2・5.誤り。
3・4.正しい。
PM 問39
解答:1・3
アミノ酸の問題の中では難問。余裕があれば覚えておく程度でいいでしょう。
1.正しい。側鎖は-CH2OHで,OHがあります。
2.誤り。側鎖は-CH2CH2CH2-です。
3.正しい。側鎖は-CH(OH)CH3で,OHがあります。
4.誤り。側鎖は-CH2CH2SCH3です。
5.誤り。側鎖は-CH2COOHです。
PM 問40
解答:2
超難問。解ける必要は全くありません。この問題が解けなくとも合格できます。
1・3~5.誤り。
2.正しい。
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コメント
どこよりも丁寧でわかりにくかったところがすごく理解できて助かっております!
ありがとうございます更新頑張って下さい!
コメントありがとうございます!励みになります!
今日ようやく66回国試の解説記事を更新できました。あと半分ですが,頑張って更新していこうと思いますのでよろしくお願いします。
国試勉強頑張ってください!
PM34の回答が3となってます!!
正しくは5だと思います!
該当問題を修正しました。ご指摘ありがとうございます。