第66回臨床検査技師国家試験解説(PM41~60)

第66回臨床検査技師国家試験(PM41~60)の解説です。

第66回臨技国試のPM問41~60の解説です。
難易度は主観で1~10の10段階でつけています。
1:超簡単
2~3:簡単
4~5:普通
6~7:やや難問
8~9:難問
10:超難問

第66回臨技国試についてをまとめたページもありますので,まだ見ていない方はぜひそちらもご参照ください。

では,解説をどうぞ!
おるてぃ
おるてぃ

 

臨床化学(PM29~44)

臨床化学の問29~40は第66回臨床検査技師国家試験解説(PM21~40)を参照してね!
おるてぃ
おるてぃ

PM 問41 

1分子中に窒素を3つ有するのはどれか。(難易度:10/10)
1.尿酸
2.尿素
3.アンモニア
4.ビリルビン
5.クレアチニン

解答:5

66pm40に引き続きこちらも超難問。分子式がわからなければ手も足も出ない問題です。ほぼ勘で解くしかなさそうです。

1.誤り。C5H4N4O3です。Nは1個です。
2.誤り。CH4N2Oです。Nは2個です。
3.誤り。NH3です。Nは1個です。
4.誤り。C33H36N4O6です。Nは4個です。
5.正しい。C4H7N3Oです。Nは3個です。

 

PM 問42 

ビタミンの欠乏と疾患の組み合わせで正しいのはどれか。(難易度:4/10)
1.ビタミンA欠乏症=くる病
2.ビタミンB1欠乏症=悪性貧血
3.ビタミンB12欠乏症=Wernicke脳症
4.ビタミンD欠乏症=夜盲症
5.ビタミンK欠乏症=新生児メレナ

解答:5

前回(65回)は水溶性ビタミンについての出題でしたが,今回は欠乏症についての問題が出題されました。もちろん前回の表で勉強していれば問題なく正解できます。

1・4.誤り。欠乏症が逆です。
2・3.誤り。欠乏症が逆です。
5.正しい。

 

PM 問43 

細菌感染による敗血症で上昇しないのはどれか。(難易度:4/10)
1.CRP
2.プレセプシン
3.エンドトキシン
4.プロカルシトニン
5.(1→3)-β-D-グルカン

解答:5

1.誤り。感染症や炎症で増加します。
2・4.誤り。どちらも敗血症のマーカーです。
3.誤り。Gram陰性菌が原因となる敗血症のマーカーです。
5.正しい。深在性真菌症のマーカーです。細菌感染では上昇しません。

 

PM 問44 

肝臓の解毒機能の評価に用いられるのはどれか。2つ選べ。(難易度:5/10)
1.ICG試験
2.血清ALP値
3.血中アンモニア値
4.血清コレステロール値
5.プロトロンビン時間(PT)

解答:1・3

BSP(bromsulphalein)試験ICG(indocyanine green)試験はともに肝異物排泄機能検査(肝解毒機能検査)として用いられます。

また,アンモニアは人体に非常に有害で,肝臓によって尿素に代謝されることから,アンモニア値を測定することで肝機能(肝解毒機能)を評価できます。

1.正しい。
2.誤り。
3.正しい。
4.誤り。
5.誤り。肝機能の低下により,凝固因子の産生が低下しPTが延長しますが,解毒機能とは直接関係ありません。

 

 

病理組織細胞学(PM45~58)

PM 問45 

術中迅速組織標本を示す。矢印で示す現象が生じた工程はどれか。(難易度:9/10)
66pm45

出典:厚生労働省ホームページ 第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp200414-07b_02.pdf)

1.組織採取
2.凍結
3.薄切
4.固定
5.染色

解答:2

術中迅速組織標本というのがヒントなのですが,なかなか難しい問題です。

画像では核の部分が一部抜けているのがわかります。これは氷晶(組織の水分が氷の結晶となったもの)が原因です。
氷晶は緩徐な凍結が原因となりますので,答えは2となります。

1・3~5.誤り。
2.正しい。

 

PM 問46 

Mayerのhematoxylin液に含まれないのはどれか。(難易度:4/10)
1.グリセリン
2.結晶クエン酸
3.抱水クロラール
4.ヨウ素酸ナトリウム
5.硫酸アルミニウムカリウム

解答:1

過去でも3回(53pm88・54am56・60pm54)出題されており,対策さえしていれば確実に正解できる問題です。

1.含まれない。グリセリンを使うのはCarazziのhematoxylin液です。
2~5.含まれる。

 

PM 問47 

気管支擦過のPapanicolaou染色標本を示す。細胞はどれか。(難易度:4/10)
66pm47

出典:厚生労働省ホームページ 第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp200414-07b_02.pdf)

1.扁平上皮細胞
2.線毛円柱上皮細胞
3.腺癌細胞
4.小細胞癌細胞
5.扁平上皮癌細胞

解答:2

線毛があることから,答えは2となります。
腺癌であれば,核小体が明瞭となり,N/Cも大きくなります。

1・3~5.誤り。
2.正しい。

 

PM 問48 

H-E染色標本を示す。臓器はどれか。(難易度:5/10)
66pm48

出典:厚生労働省ホームページ 第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp200414-07b_02.pdf)

1.肝臓
2.腎臓
3.膵臓
4.脾臓
5.副腎

解答:3

過去にも同様の問題および類似問題が出題されており(53pm84・59pm50・61pm50),対策していればこちらも容易に正解できます。

画像にはLangerhans島が写っており,膵臓が最も考えられます。

Langerhans島

1・2・4・5.誤り。
3.正しい。

 

PM 問49 

早期胃癌について正しいのはどれか。(難易度:8/10)
1.静脈侵襲を認めない。
2.陥凹病変は含まれない。
3.浸潤は粘膜内に限局する。
4.リンパ節転移を認めない。
5.肉眼分類では0型に相当する。

解答:5

難問。しっかり勉強していないと難しいです。

1・4.誤り。早期であっても侵襲や転移を起こすことがあります。
2.誤り。陥凹病変はあります。
3.誤り。粘膜下層までの浸潤を早期胃癌と定義します。
5.正しい。

 

PM 問50 

子宮頚部細胞診のPapanicolaou染色標本を示す。考えられるのはどれか。(難易度:4/10)
66pm50

出典:厚生労働省ホームページ 第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp200414-07b_02.pdf)

 
1.腺癌
2.扁平上皮癌
3.膣カンジダ症
4.ヘルペス感染症
5.トリコモナス膣炎

解答:2

65am49で細胞診の出やすい細胞像についてはまとめてあります。

画像では角化した異常扁平上皮細胞(オレンジ色で形態異常・N/C比↑)=扁平上皮癌が出現しているため2が正解です。

1・3・4・5.誤り。
2.正しい。

 

PM 問51 

悪性腫瘍はどれか。(難易度:5/10)
1.血管腫
2.線維腫
3.精上皮腫
4.多形腺腫
5.成熟奇形腫

解答:3

良性腫瘍と悪性腫瘍についてもたまに出るので,表で覚えておきたいところ。

良性腫瘍と悪性腫瘍

1・2・4・5.誤り。
3.正しい。

 

PM 問52 

脂質の染色に適するのはどれか。(難易度:4/10)
1.Alcian blue染色
2.Berlin blue染色
3.Kossa反応
4.PAS反応
5.SudanⅢ染色

解答:5

65pm55でも類似問題が出題されており,対策しておけば簡単な問題です。

1.誤り。酸性粘液多糖類や酸性粘液の染色法です。
2.誤り。3価鉄の染色法です。
3.誤り。石灰化物質の染色法です。
4.誤り。多糖類の染色法です。
5.正しい。中性脂肪を赤色に染色します。

 

PM 問53 

包埋過程について正しいのはどれか。(難易度:7/10)
1.パラフィンは親水性である。
2.包埋には軟パラフィンを用いる。
3.組織収縮率は脱水時が最も大きい。
4.硬パラフィンの融点は50℃以下である。
5.脱脂効果はメタノールよりもエタノールのほうが高い。

解答:5

やや難しい問題。

1.誤り。疎水性です。
2.誤り。硬パラフィンを用います。
3.誤り。
4.誤り。融点は54~60℃です。
5.正しい。メタノールの方が組織浸透性が高いですが,脱脂効果はエタノールの方が上です。

 

PM 問54 

組織の固定について正しいのはどれか。(難易度:8/10)
1.ホルマリンは特定第3類物質である。
2.固定する組織体積の10倍以上の固定液が必要である。
3.遺伝子検査目的の検体の固定時間は72時間以上が望ましい。
4.ホルマリンの浸透速度は室温で1時間に5~10cm程度である。
5.グルタールアルデヒドの浸透速度は1時間に1~5cm程度である。

解答:2

こちらも難問。正解できなくても問題ありません・・・が,ホルマリンについては知っておいたほうがいいです。

1.誤り。特定第2類です。
2.正しい。
3~5.誤り。

 

PM 問55 

脱灰について正しいのはどれか。(難易度:7/10)
1.過脱灰では抗原性を増強させる。
2.酸性脱灰法では容器を密閉する。
3.脱灰液は1日に1~数回交換する。
4.脱灰液は交換のたびに濃度を高くする。
5.組織体積の5~10倍量の脱灰液が必要である。

解答:1

66回は固定・脱灰の問題が結構難しいですね。

1.誤り。減弱します。
2.誤り。炭酸ガスが発生するため,容器のふたはあけておきます。
3.正しい。1~2回交換します。
4.誤り。濃度は交換前と同じにします。
5.誤り。体積の100倍以上を用います。

 

PM 問56 

類上皮肉芽腫の形成を特徴としない病態はどれか。(難易度:4/10)
1.梅毒
2.結核症
3.慢性膵炎
4.Hansen病
5.サルコイドーシス

解答:3

肉芽腫の形成=肉芽腫性炎。
これさえわかっていれば,後は肉芽腫性炎の代表疾患を覚えておけば簡単に正解できます。

肉芽腫性炎は65pm56で解説しています。

1・2・4・5.誤り
3.正しい。

 

PM 問57 

病理解剖中の術者の結核感染防止に有効なのはどれか。(難易度:5/10)
1.手指消毒
2.陽圧式空調
3.空気清浄器の使用
4.微粒子用マスクの着用
5.肺のホルマリン注入固定

解答:4

52pm38および58am58のプール問題です。過去問対策は抜かりのないように。

1~3・5.誤り。
4.正しい。

 

PM 問58 

腫瘍と免疫組織化学的マーカーの組み合わせで正しいのはどれか。(難易度:4/10)
1.肺癌=エストロゲン受容体(ER)
2.乳癌=AFP
3.消化管間質腫瘍=c-kit
4.大腸癌=PSA
5.B細胞リンパ腫=CEA

解答:3

免疫組織化学染色(マーカー)についてはこちらの記事でまとめてあります。

2年に1問程度出題されているので必ず対策しておきたいところです。

1.誤り。ERは乳癌です。
2.誤り。AFPは肝細胞癌や卵黄嚢腫瘍です。
3.正しい。
4.誤り。PSAは前立腺癌です。
5.誤り。CEAは腺癌全般です。

 

 

臨床血液学(PM59~67)

PM 問59 

生体中の総鉄量に対するヘモグロビン鉄の割合に最も近いのはどれか。(難易度:3/10)
1.75%
2.66%
3.50%
4.33%
5.25%

解答:2

65am63の類似問題。しっかり対策していればこの問題も楽に正解できますね。過去問対策の重要性がよくわかる問題です。

1・3~5.誤り。
2.正しい。

 

PM 問60 

自動血球計数装置において,実測している項目はどれか。2つ選べ。(難易度:5/10)※複数正答あり
1.ヘマトクリット値(Ht)
2.ヘモグロビン濃度(Hb)
3.平均赤血球容積(MCV)
4.平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
5.平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)

解答:2・3 or 1・2 or 1・3

自動血球計数装置では,Hbシアンメトヘモグロビン法や非シアン法などで測定します。
また,Htは直接計測せずに,赤血球数とMCVをヒストグラムで測定し,MCVを求める計算式から求めます。

よって,実測している項目は2と3になります。

↑は覚えておこう!
おるてぃ
おるてぃ
基本は上で解説した通りですが,自動血球計数装置の種類によってはHtを直接測るものもあるため,1も正答になりました。

赤血球恒数(MCV・MCH・MCHC)の計算式は65pm66で解説してありますので,わからなかったという人は再度復習しておきましょう。

1.正しい。Htを直接測定する計数装置もあるようです。
2・3.正しい。
4・5.誤り。

 

 

他の問題の解説を見る

pm61~80(1つ先)の解説はこちら♪
おるてぃ
おるてぃ
第66回臨床検査技師国家試験解説(PM61~80)
第66回臨床検査技師国家試験(PM61~80)の解説です。
66回臨技国試の他の解説を見たい場合はこちら♪
おるてぃ
おるてぃ
第66回臨床検査技師国家試験を解いてみた
第66回臨床検査技師国家試験の問題を解いてみました!果たして結果は?

 

コメント

  1. エオバの友達 より:

    先日の国家試験を受けてきました。イリュクリジンVを使って腸内細菌科の問題解けました!腸内細菌科、染色法などが特にわかりやすく助かりました。一緒に勉強した仲間たちとおるてぃさんのおかげで合格できそうです。お忙しいとは思いますが、投稿頑張ってください!

    • おるてぃ より:

      ※コメントが二重に届いていたので,片方は削除しておきました。
      コメントありがとうございます。
      合格点到達おめでとうございます!お役に立てて本当に良かったです。
      応援していただきありがとうございます。励みになります!なかなか時間が取れないのですが,これからも少しずつ更新頑張っていこうと思います。

  2. エオバ より:

    第67回国家試験を受けました。
    染色法や微生物など、非常に勉強になりました。ありがとうございました。

    • おるてぃ より:

      国家試験お疲れ様でした。
      お役に立てて良かったです!拙い解説ではありますが,それでも勉強になったというコメントを頂けるとこちらも非常にうれしいです。
      これからも大変だとは思いますが,頑張ってください!

  3. ぽぽ より:

    いつも参考にさせてもらってます!
    おるてぃさんのおかげでわからないところを理解して覚えることができました✨
    特に医用工学は大変助かりました!
    明後日、国試ですががんばります
    ありがとうございました

    • おるてぃ より:

      コメントありがとうございます!先日国家試験だったみたいですね。国家試験お疲れ様でした。
      なかなか覚えることがあって大変だったとは思いますが,取り敢えず試験終了ということでゆっくり休んでいただければと思います。
      お役に立てて本当に良かったです。これからも大変だとは思いますが,頑張ってください!

    • ちゃーと より:

      こんばんは、いつもお疲れ様です。67回の国家試験を受験した者です。国試の勉強を始めようと思った秋ごろから、おるてぃさんの解説をたくさん参考にさせていただきました。とても見やすくまとまった解説で大変助かりました!!難易度なども載っていて、モチベーションにも繋がりました。おかげさまで合格できそうです。本当にありがとうございました!

      • おるてぃ より:

        コメントありがとうございます。
        合格点到達おめでとうございます!お役に立てて本当に良かったです。
        国試の勉強法はやはり過去問を対策してその傾向をつかむのが早くて確実ということを経験的に知っていたので,このブログでもよく出る問題にはそれに対応できるような解説を,
        逆に解けなくていいような問題は難易度を上げて,優先度低めでOKと解説してきました。(全部勉強するのは本当に大変なので・・・)
        今回,その解説が役に立ったと多くの方からコメントを頂き,とても需要があったんだと改めて実感しました。今も結構忙しいのですが,少しずつ更新を頑張っていこうと思います。
        長くなりましたが,本当におめでとうございます!

      • こん より:

        毎日参考に勉強させていただいてます!
        毎年の臨床検査技師国家試験の受験者数は4000人ほどですが、このサイトの利用者はどのくらいになるんですか?
        一緒に勉強している人がどれぐらいいるか知りたいです!

        • おるてぃ より:

          こんさん,コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
          google analyticsの解析によりますと,1日当たり400~600人の方々がサイトを利用なさっているようです。(本当に感謝です!)
          大体受験生の1割といったところでしょうか。ご参考になれば幸いです。
          p.s. 本日ようやく67回の総評を公開しました。こちらもぜひご覧ください!これからも勉強頑張ってください!

  4. ぺんぎんさん より:

    更新ありがとうございます
    おるてぃさんのおかげで勉強が捗っています
    まとめの表などがとても見やすく、お気に入りのサイトです!

    • おるてぃ より:

      コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に励みになります!
      なかなか更新できないのが本当に申し訳ないです。空いた時間に少しずつ更新していきますので,これからもよろしくお願いいたします。