第67回臨床検査技師国家試験解説(PM41~60)

第67回臨床検査技師国家試験(PM41~60)の解説です。

第67回臨技国試のPM問41~60の解説です。
難易度は主観で1~10の10段階でつけています。
1:超簡単
2~3:簡単
4~5:普通
6~7:やや難問
8~9:難問
10:超難問

第67回臨技国試についてをまとめたページもありますので,まだ見ていない方はぜひそちらもご参照ください。

では,解説をどうぞ!
おるてぃ
おるてぃ

問題の出典:厚生労働省ホームページ 第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07b_01.pdf)

 

臨床化学(PM29~44)

臨床化学の問29~40は第67回臨床検査技師国家試験解説(PM21~40)を参照してね!
おるてぃ
おるてぃ

PM 問41 

病原体の構成成分で検査に用いられるのはどれか。2つ選べ。(難易度:4/10)
1.プレセプシン
2.エンドトキシン
3.プロカルシトニン
4.アミロイドA蛋白
5.(1→3)-β-D-グルカン

解答:2・5

選択肢で病原体の構成成分がわかれば特に難しくはない問題です。

1・3.誤り。敗血症のマーカーですが,病原体の構成成分ではありません。
2.正しい。Gram陰性菌の細胞壁にある外膜を構成する多糖類(LPS)です。敗血症のスクリーニングに用いられます。
4.誤り。 
5.正しい。真菌の細胞壁を構成する多糖類です。深在性真菌症のスクリーニングに用いられます。

 

PM 問42 

尿を検体として測定するのはどれか。(難易度:8/10)
1.オステオカルシン
2.デオキシピリジノリン
3.骨型アルカリホスファターゼ
4.酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b型
5.Ⅰ型プロコラーゲンN末端プロペプチド

解答:2

骨形成・吸収マーカーの問題ですが,今回は難問。

骨吸収マーカーのうち,TRACP-5b(酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b型)以外は尿を検体として用いることができます。また,DPD(デオキシピリジノリン)は尿検体のみが対象となります。

1・3・4・5.誤り。いずれも血清が対象検体です。
2.正しい。

 

PM 問43 

ケトン基を有するのはどれか。2つ選べ。(難易度:10/10)
1.乳酸
2.グリシン
3.グルコース
4.ピルビン酸
5.フルクトース

解答:4・5

超難問。解けなくても全く問題ありません。

1~3.誤り。
4・5.正しい。

 

PM 問44 

腎糸球体障害の指標となる検査項目はどれか。2つ選べ。(難易度:6/10)
1.血清エリスロポエチン
2.血清クレアチニン
3.血中シスタチンC
4.尿中N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)
5.尿中β2-ミクログロブリン

解答:2・3

糸球体機能検査と尿細管機能検査を混同しがちなので注意が必要です。これに限らず,過去問でも機能検査の問題が2年に1回程度出題されているので対策しておきたいところです。

<機能検査まとめ>

機能検査

1.誤り。腎機能の低下によりエリスロポエチン産生能が低下するため,腎機能を見るには有用ですが,糸球体障害の指標にはなりません。
2・3.正しい。
4・5.誤り。どちらも近位尿細管の機能を見る検査です。

 

 

病理組織細胞学(PM45~58)

PM 問45 

子宮頸部擦過細胞診のPapanicolaou染色標本を示す。細胞はどれか。(難易度:4/10)
67pm45

出典:厚生労働省ホームページ 第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07b_02.pdf)

1.頸管腺細胞
2.扁平上皮細胞
3.腺癌細胞
4.扁平上皮癌細胞
5.ヘルペス感染細胞

解答:2

画像では角化した(=オレンジ色に染まった)N/C比の小さい細胞が出現しています。これは扁平上皮細胞の特徴です。

1・3~5.誤り。
2.正しい。

 

PM 問46 

セルブロック法について誤っているのはどれか。(難易度:9/10)
1.免疫染色ができる。
2.ホルマリンで固定する。
3.細胞集塊の観察に適する。
4.パラフィン切片を作製する。
5.細胞数が少ない検体のほうが有用性が高い。

解答:5

難問。解けなくても大丈夫でしょう。

1~4.正しい。
5.誤り。

 

PM 問47 

電子顕微鏡標本作製についての組み合わせで正しいのはどれか。(難易度:2/10)
1.グルタルアルデヒド=後固定
2.酢酸ウラン=包埋
3.ガラスナイフ=トリミング
4.ダイヤモンドナイフ=超薄切
5.ビームカプセル=電子染色

解答:4

電子顕微鏡の問題は昨年も出題されており,問題自体も過去問を復習しておけば難なく解けます。この問題は絶対に落としたくないところ。

1.誤り。グルタルアルデヒドは前固定です。後固定はオスミウム酸です。
2.誤り。包埋はエポキシ樹脂を用います。
3.誤り。細切には安全カミソリを用います。
4.正しい。
5.誤り。電子染色は酢酸ウラン+クエン酸鉛です。

 

PM 問48 

病理学的検査において使用される有害物質で,管理濃度が0.1ppmであるのはどれか。(難易度:4/10)
1.アセトン
2.キシレン
3.メタノール
4.クロロホルム
5.ホルムアルデヒド

解答:5

選択肢のうち,ホルムアルデヒドは濃度が0.1ppm以下となるように定められています。これだけは覚えておきましょう。以下の記事も参考に。

1~4.誤り。
5.正しい。

 

PM 問49 

H-E染色標本を示す。炎症の種類はどれか。(難易度:7/10)
67pm49

出典:厚生労働省ホームページ 第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07b_02.pdf)

1.化膿性炎
2.出血性炎
3.漿液性炎
4.カタル性炎
5.肉芽腫性炎

解答:5

やや難問の難易度設定(難易度7)としましたが,画像の特徴をきっちりと捉えられれば正解自体は難しくないです。過去にも類似した画像を紹介していますので,そちらもご覧ください。

画像ではLanghans巨細胞・線維芽細胞・リンパ球が出現していることから特異性炎(肉芽腫性炎)が考えられます。結核による「乾酪壊死像+特異性炎の画像」が最も代表的なので必ず覚えておきたいところです。(本問の画像では乾酪壊死像は認められませんが……)

67pm49解説

出典:厚生労働省ホームページ 第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊 一部改変(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07b_02.pdf)

1~4.誤り。
5.正しい。肉芽腫性炎のうち,特徴のある肉芽腫を形成するものを特異性炎といいます。

 

PM 問50 

細胞診検体採取で,主に穿刺吸引法を用いる部位はどれか。(難易度:4/10)
1.口腔
2.甲状腺
3.膀胱
4.子宮頸部
5.子宮内膜

解答:2

過去にも類似問題が出題されており(55pm57・56am57)対策容易な問題なので確実に解けるようにしておきたいところです。

<穿刺吸引細胞診が対象となる臓器・組織>
  • ~腺(唾液腺,甲状腺など)
  • 肺(気管支除く)
  • リンパ節

1・3~5.誤り。
2.正しい。

 

PM 問51 

H-E染色標本を示す。臓器はどれか。(難易度:1/10)
67pm51

出典:厚生労働省ホームページ 第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07b_02.pdf)

1.脳
2.肝臓
3.腎臓
4.膵臓
5.リンパ節

解答:3

特殊染色の問題で何度も出題されている画像の超基本的な問題。絶対に落としたくないですね。

画像では糸球体尿細管が写っているので腎臓が正解です。

1・2・4・5.誤り。
3.正しい。

 

PM 問52 

重層扁平上皮で覆われているのはどれか。2つ選べ。(難易度:4/10)
1.気管支
2.食道
3.大腸
4.膀胱
5.膣

解答:2・5

65am56で類似問題が出題されており,ここできっちり対策していれば正答は容易です。

1.誤り。線毛円柱上皮です。
2・5.正しい。
3.誤り。円柱上皮です。
4.誤り。尿路上皮です。

 

PM 問53 

臍帯の血管について正常なのはどれか。(難易度:5/10)
1.1動脈1静脈
2.1動脈2静脈
3.2動脈1静脈
4.2動脈2静脈
5.2動脈3静脈

解答:3

1・2・4・5.誤り。
3.正しい。

 

PM 問54 

パラフィン包埋法の脱水に使用されるのはどれか。(難易度:2/10)
1.キシレン
2.トルエン
3.アルコール
4.ホルマリン
5.クロロホルム

解答:3

特にひねりもなく簡単な問題です。

1・2・5.誤り。これらはいずれも脱水後の脱アルコール剤(中間剤)として用いられます。
3.正しい。
4.誤り。ホルマリンは固定で用いられます。

 

PM 問55 

酸性色素はどれか。2つ選べ。(難易度:8/10)
1.エオジン
2.ライト緑
3.メチレン青
4.トルイジン青
5.ヘマトキシリン

解答:1・2

結構難問。

1・2.正しい。
3~5.誤り。これらはいずれも塩基性色素の代表例です。

 

PM 問56 

細胞診検体の種類と塗抹法の組み合わせで正しいのはどれか。(難易度:6/10)
1.胸水=捺印法
2.リンパ節=圧挫法
3.尿=直接塗抹法
4.喀痰=すり合わせ法
5.脳腫瘍=引きガラス法

解答:4

やや難問。

<細胞診検体の処理法まとめ>

細胞診検体の処理法

1・3.誤り。胸水や尿は引きガラス法です。
2.誤り。リンパ節は捺印法です。
4.正しい。
5.誤り。脳腫瘍は圧挫法です。

 

PM 問57 

大動脈弓から直接分岐する血管はどれか。2つ選べ。(難易度:4/10)
1.腕頭動脈
2.右総頸動脈
3.右椎骨動脈
4.左内頸動脈
5.左鎖骨下動脈

解答:1・5

解剖学的問題。

大動脈弓からは腕頭動脈(→右総頸動脈・右椎骨動脈)・左総頸動脈(→左内頸動脈)・左鎖骨下動脈の3つが分岐します。

1・5.正しい。
2~4.誤り。

 

PM 問58 

毒物及び劇物取締法で劇物に指定されているのはどれか。2つ選べ。(難易度:4/10)
1.塩酸
2.アセトン
3.エタノール
4.ホルムアルデヒド
5.イソプロピルアルコール

解答:1・4

危険なもの(=劇物)をある程度覚えておけば解くことができます。
もしくは,選択肢からあまり危険そうでないものを消していく方法も有効です。

<主な劇物>
  • キシレン(キシロール)
  • クロロホルム
  • トリクロロ酢酸
  • ピクリン酸
  • ホルムアルデヒド
  • メタノール
  • 強酸溶液(塩酸,硝酸,硫酸など)
  • 強アルカリ溶液(水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなど)

1・4.正しい。
2・3・5.誤り。

 

 

臨床血液学(PM59~67)

PM 問59 

末梢血のWright-Giemsa染色標本を示す。考えられるのはどれか。2つ選べ。(難易度:3/10)
67pm59

出典:厚生労働省ホームページ 第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答について 午後問題別冊(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp210416-07b_02.pdf)

1.血栓性血小板減少性紫斑病
2.溶血性尿毒症症候群
3.無β-リポ蛋白血症
4.原発性骨髄線維症
5.サラセミア

解答:1・2

よく出る変形赤血球の問題です。過去問にも出題歴があり,確実に正解しておきたいところです。

<変形赤血球>

変形赤血球1
変形赤血球2
変形赤血球3

1・2.正しい。
3.誤り。有棘赤血球が出現します。
4.誤り。涙滴赤血球が出現します。
5.誤り。標的赤血球が出現します。

 

PM 問60 

骨髄異形成症候群について誤っているのはどれか。(難易度:6/10)
1.血球減少を認める。
2.腫瘍性疾患である。
3.無効造血が亢進する。
4.造血細胞の形態異常を認める。
5.骨髄の芽球比率は30%以上である。

解答:5

やや難問です。

1.正しい。汎血球減少をきたす疾患の1つです。他に血球貪食症候群,再生不良性貧血,巨赤芽球性貧血,SLE,AML,ALL,PNHなどがあります。
「貪欲な最強SMAP」
貪:血球貪食症候群
最:再生不良性貧血
強:巨赤芽球性貧血
S:SLE(全身性エリテマトーデス)
M:MDS(骨髄異形成症候群)
A:AML(急性骨髄性白血病)・ALL(急性リンパ性白血病)
P:PNH(発作性夜間ヘモグロビン尿症)

2・4.正しい。
3.正しい。巨赤芽球性貧血と骨髄異形成症候群は無効造血を呈します。
5.誤り。WHO分類では20%以上と規定されています。

 

 

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コメント

  1. 日下純子 より:

    おるてぃーさん
    国家試験解説、大変参考になり助かっております。
    とてもありがたいです。
    第67回PM60以降の解説も宜しくお願いします。

    • おるてぃ より:

      コメントありがとうございます。そういっていただけると光栄です。
      残りの分の解説も今作成中ですので,もうしばらくお待ちください。